収入に納得できているか

会社と上手く付き合っていけるか“のトピックスでも触れましたが、通常は会社と社員の間で雇用契約が交わされます。このタイミングで社員としてどのような条件で給与支払いを受けるかが決まるわけです。一般的に給与とは使用者と労働者が雇用契約を結んだ上で、会社の直接の指揮・監督の下、時間的な拘束を受けて行う業務への対価です。ボーナスも残業代も、そこで定められた上での収入になることから給与の一部として位置付けられます。

この「収入に納得できるかどうか?」は転職を検討する上でかなりウエイトの高いテーマです。今回は給与体系制度別にそれぞれの特徴を見つめながら、転職について考えてみます。

1) 年俸制

⚫︎月額支給の給与

年俸といっても一度に契約金を受取るわけではなく、毎月の給与として受取る金額が決まっている場合です。通常、業務内容が定められており、成果によるコミッションはありません。

年に一度、通信簿のような形で普段の勤務態度や業務内容を会社や上司から主観的に評価され、次年度の年俸が決まります。年を重ねるごとに上乗せされる仕組みが一般的で、この給与がアップすることを昇給と言います。

会社の業績が良くないと、いくらきちんと与えられた仕事をこなして来たとしても減給になる場合もあります。

⚫︎ボーナス

年に1度か2度、通常の給与とは別枠で支給されるのがボーナスですが、その制度が設けられていない会社もあります。制度がある場合は原則、給与に対する一定比率が支給額になりますが、昇級と同様、勤務態度や会社の業績を考慮され支給額が定められます。

⚫︎残業代

こちらも会社により残業時間が給与に反映される場合とされない場合があります。反映される場合でも上限時間に制限が設けられていたり、請求しにくい環境だったりすることも多く、あくまでも決められた給与に上乗せされる補助的な位置付けになっています。

ヒーくん
ヒーくん

私が最初に勤めた会社では上限時間は設けられてなかったものの、上司から配属する組織の業績を顧みてコントロールするように言われました。そのため、毎月の申告はかなり気を使う難しい判断が必要で申告書作成時はいつも憂鬱でした。結局、上司からの再提出依頼を避けたいがために、実質の業務時間のほんの一部しか申告しませんでした。

今回はいつもの【転職判定】ではなく、それぞれの給与体系スタイルにあなたが向いている人かどうかを判定したいと思います。

【年俸制 向き不向き判定】…向いている、…どちらとも言えない、…向いていない)

1)仕事のプレッシャーを感じたくない人 → 
2)仕事よりプライベートを充実させたい人 → 
3)収入に対する欲求が高くない人 → 
4)まわりに認められたい人 → 
5)自分の能力に自信がある人 → 
6)安定より挑戦するのが好きな人 → 
7)高収入を得たい人 → 
8)将来独立起業したい人 → 
ヒーくん
ヒーくん

安定した生活を送りたい人にとっては、この年棒スタイルの仕事はもってこいです。また他に何かやりたいことがある人にとっては、残業時間が少なかったり安定収入があることで、そのための勉強をしたり準備に充てられるケースもあります。

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2)報酬制

報酬とは直接の指揮や時間的な拘束を受けずに、自らの裁量で行った仕事の成果への対価を指します。一般的には、雇用契約を結んでいない個人事業主や法人への支払いが該当します。となれば、会社員は該当しないと思われがちですが、この報酬制度を取り入れている会社が増えつつあります。特に外資系企業ではスタンダードな給与体系です。

この報酬制ですが、フルコミッション制とインセンティブ制と制があります。

2)-1フルコミッション制

成果に応じて報酬が決定される制度を指します。基本給は想定されず、成果を上げないと収入を得ることはできません。日本語に訳すと完全歩合制ということになります。普通の会社では社員に対して最低限の賃金保障の規定が定められているため、一般的な雇用契約では導入できません。そこで個人事業主と同様、業務委託契約のような形を取ることになります。会社員としてはかなり特殊な給与体系のため、不動産営業、保険営業、事業者営業、コンサルタント、クリエイター、タクシードライバーといった職種に限り、当システムの採用が認められています。

【フルコミッション制 向き不向き判定】…向いている、…どちらとも言えない、…向いていない)

1)仕事のプレッシャーを感じたくない人 → 
2)仕事よりプライベートを充実させたい人 → 
3)収入に対する欲求が高くない人 → 
4)まわりに認められたい人 → 
5)自分の能力に自信がある人 → 
6)安定より挑戦するのが好きな人 → 
7)高収入を得たい人 → 
8)将来独立起業したい人 → 
ヒーくん
ヒーくん

年棒スタイルとは反対に、安定より挑戦したい人に向いているのがこのフルコミッション制です。成果を挙げ続けことで、一流スポーツ選手並みの収入を得ている人も存在します。いわゆる雇用関係が無いことで会社から干渉されることがほとんど無く人間関係の悩みもありません。仕事の時間割を自分でつくることができ自由度が高いことも特徴ですが、その代わりに成果を挙げないと生活ができないためプレッシャーに負けない強さを求められます。そういった点では、極めて自営業に近い働き方なんですね。

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2)-2 インセンティブ制

インセンティブ制度とは、定められた目標を達成した際に報奨金を支払うことを意味しており、従業員のモチベーションを高めるなどの効果を期待して導入されるシステムです。ちょうど年俸制とフルコミッション制の中間に位置し、最低限の基本給はあるもののそれだけでは不十分で、仕事の評価が毎月の給与に大きく関わります。

【向き不向き判定】…向いている、…どちらとも言えない、…向いていない)

1)仕事のプレッシャーを感じたくない人 → 
2)仕事よりプライベートを充実させたい人 → 
3)収入に対する欲求が高くない人 → 
4)まわりに認められたい人 → 
5)自分の能力に自信がある人 → 
6)安定より挑戦するのが好きな人 → 
7)高収入を得たい人 → 
8)将来独立起業したい人 → 

かなりフルコミッション制の判定と似た結果になりました。毎月の給与に、仕事の成果や実績の評価が大きく関係しますが最低限の基本給があることが、フルコミッション制や自営業と違うところですね。評価基準が明確になるため競争心が駆り立てられやすく、髙挙績を挙げて注目される存在になることが喜びになる人が向いているようです。

以上、今回は給与体系のスタイルから向き不向きという観点で転職を考えてみました。

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